- 2021/05/25
- まじめな話をしよう
実りの初夏
私の住む山里のあちこちで小麦の収穫期が近付いてます。
小麦の穂が枯れたような茶色に変わり、あとは収穫を待つばかりの状態。
ただ今年は梅雨入りが想定外に早く、収穫のタイミングを見極めにくいかもしれません。
話は少し変わりまして・・
秋になって黄金色に色付いた稲穂が、山里の風景の一部として重要なアイテムであったことは言うまでもないでしょう。
コメ余りの現代では麦とか他の作物への転作が奨励され、山里のあちこちでも田んぼが麦畑に変えられてます。
小麦のタネ撒きに備えて10月ごろに畑が耕されますが、その中に黄金色の田んぼが点在。
どこもかしこも稲の刈り入れに追われるというのは過去のこと。
これが現代の農村部の標準的な秋の風景だと思います。
思い起こせば私が今の住処に越してきた当初。
減反でコメが作れなくなった田んぼにはコスモスが植えられてました。
秋になるとコスモスの花が咲き乱れ、それなりにキレイな風景を演出してました。
近隣から見物に来る人でそれなりに賑わい、そう悪くはありませんでした。
でもね・・コスモスが咲いてない時期はただの荒地。
花が終わったとたん、寒風がびゅうびゅう吹き抜けるだけの寒々しい風景。
田んぼのコスモスを見る度に、日本の農業政策の歪みを見る思いでした。
そんななか、国内産の小麦とか大麦の需要が高まり、それまでのコスモス畑とか耕作放棄地
が麦畑に変わって行きました。
実りの秋とはまた違った風景ではありますが、実りの初夏というか実りの夏を演出する今の時代に合わせた新しい風景になったのだと思います。