漸くといった感想
今日の最大のニュースのひとつ。
例の処理水の海洋放出が午後から開始される運びとなったことです。
日々増え続ける処理水を放置すると今後の廃炉作業を妨げるのは明白です。
漸く始まったなと言うのが正直な感想です。
日本政府としては第三者機関であるIAEAの監視下で海洋放出を進める方針で、これは適切な対応だと思います。
と言うのは、何かにつけてイチャモンを言ってくる周辺国を抑えるのに有効で、そんな奴らをサンプリングとか監視に関わらせるとロクなことにならないのは目に見えてます。
早速中国と韓国から色んな反発が起きてます。
中国は日本の水産物を全面禁輸に踏切り、韓国では反対派が大使館に侵入を試みて逮捕される。
これからも色々とニュースが飛び込んで来るんじゃないでしょうか。
話は変わりますがトリチウムに関連して・・
私が学生時代の研究課題の一環として、水素とか炭素の放射性同位体で標識された化合物を使ってた時期がありました。
水素の放射性同位体というのがトリチウムです。
一回の実験操作で使う量は多くても10 MBqくらいで、これは10の7乗となります。
対して今回の放出量は20兆Bqほどで、兆は10の12乗。
実験で使う標識化合物は数10マイクロℓの量ですから高濃度に濃縮されてます。
対して処理水の方は大量の海水で希釈され、1ℓあたり100 Bqにも満たないレベル。
どちらにしてもβ線はほとんど飛んで来ません。
ちなみに。単純な試算では過去の大気圏内核実験で放出されたトリチウムは10の20乗Bqと推定されてます。
現在の地球で自然環境中に存在するトリチウムの大部分がこれに由来するものと言われてます。